日時: | 平成23年3月9日(水曜日)14時〜18時(開場13時半) |
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場所: | 東京コンベンションホールAP浜松町 会議室F (東京都港区芝公園2-4-1ダヴィンチ芝パークB館地下1階) |
参加者数: | 84名、全国の漁村活性化の関係者(漁業者、漁協、行政、研究者、企業、学生他) |
漁村の活性化とは何か 〜漁村地域での活力づくり実践例から考える |
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主催者挨拶 | 水産庁漁港漁場整備部長 |
第一部 基調講演 |
講演Ⅰ 水産物のブランド化、新たな流通による漁村活性化 はこだて未来大学 長野教授 漁村の六次産業化について、北海道でのマリンビジョンに基づく漁村活性化の総合的な取組を例に、水産加工や新たな流通経路の開拓により所得を増すことの有効性、そのための施設整備の必要性について、またブランド化、新たな流通に際して留意すべき事項として、認証制度、トレーサビリティ、地域間相互交流として漁協間での水産物流通を進めている動きについての説明、6次産業基盤としてのITについて講義をいただいた。 講演Ⅱ 都市漁村交流による漁村活性化 近畿大学 日高准教授 都市漁村交流について六次産業化の視点からをいただいた。交流を考える際の、水産物の流れと観光客のながれ、生産者の情報を消費者にいかに伝えるか、着地型観光、中間支援組織による横のネットワークによりメニューの多様化を図る方法など、お話いただいた。交流の入口として、直売所に可能性があるという指摘として、生産者にとっては高く売れることとに加え、消費者の試行、費用や商品力に対する認識の向上、体験漁業をするとか加工品を作る、レストラン事業を行うなど様々な展開、新しい漁村産業につながっていくことをお話いただいた。 |
第一部 事例紹介 |
【事例Ⅰ 北海道厚岸地域】 新たな流通の仕組みづくりによる水産物の高付加価値化 二次元バーコードを使った生産履歴情報発信の仕組みづくり 大黒さんまのブランド化を軸に、二次元バーコードを使った生産履歴情報発信の仕組みづくり、漁協直売所、道の駅での水産物活用、また地域でのイベントや都市部でのPR活動を通じた販促の展開による、水産物高付加価値化についてお話いただいた。 【事例Ⅱ 長崎県上対馬地域】 新漁法の導入による地域の漁業振興と漁村活性化 アジサバのこぎ釣りの導入と定着を通じた、新漁法の導入の方法とその苦労、効果、さらに、漁業の振興及び漁村地域の振興への展望についてお話いただいた 【事例Ⅲ 北海道根室市落石地域】 地域の野鳥に注目したネイチャークルーズの実施と漁村活性化 地域一体での活力づくりの取組についてお話いただいた。特にネイチャークルーズ、フットパスの取組など、発想の転換から地域のあたりまえのものを資源として活用した事例、そこでの漁業者の活躍や地域の水産業、地域経済への影響についてお話いただいた。 【事例Ⅳ 沖縄県竹富町小浜島】 小規模離島での漁業・水産物を活用したブルーツーリズムの推進 観光地として多くの集客がある一方で、これまでに集落には素通りの観光客がくるだけ、地元の水産物販売もなかった状況において、定置網体験、かご網体験、加工体験、地域の伝統、魚垣の活用などブルーツーリズムとして、地域での漁業の理解、地域にみあった規模での活性化に取り組んでいる内容をお話いただいた。 |
第二部 パネルディスカッション |
【パネリスト】 はこだて未来大学 長野教授 , 近畿大学 日高准教授 , 厚岸漁協市場部川尻部長 , 長崎県上対馬漁協漁業士 , 落石漁協専務理事 , 小浜島 まーる新鮮隊 【コーディネータ】 高知大学受田教授 【テーマ】 漁村の活性化とは何か コーディネーターに高知大学受田教授を迎えて、「漁村の活性化とは何か」とのテーマにて実施した。地域で掲げた目標とそれに対しての進捗、組織論や継続性についての議論、今後の展開についての議論をおこなった。 目指すべきところは水産物の価格向上、漁家個人の収入アップといった共通のところから、漁業後継者が帰ってこられる地域をつくること、そのための確かな産業をつくることを目標に取組を進める地域の意見もあった。様々な将来像を持つ一方、地域での課題としてはやはり事業の担い手をいかに確保し、地域一体での取りくみを進めるかという部分であることが話し合われた。人材の確保育成にくわえて、市場施設の更新、ITをうまく使って情報発信と消費者の情報を収集することの必要、市場からの情報をいかに生産地にフィードバックさせるか、特に交流事業ではプログラムを更新し続けることの必要を有識者の先生方からも意見いただいた。 最後に漁村地域間のつながりにより、全国的な運動として漁村の活力づくりをすすめることについての意気込みを登壇者一同で示していただき閉会となった。 |